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  • 執筆者の写真雪屋こんこん

急に音響を任されてしまった人へのトラブルシューティング





みなさんこんばんは。元PAの雪屋こんこんです。


PAって知ってますか。

パーキングエリアじゃないですよ。音響の機械をいじる人です。パブリックアドレスといいます。


このPAという仕事。突き詰めればとても奥が深く、本職として長年されてる方はもうそれはそれはテクニカルな音捌きをされます。


けれどね。このブログではそんなことは解説しません。

あくまで臨時でPAしなきゃいけないけどマジでなんも分からんって人向けの解説記事になりますから、その辺ご容赦ください。




【ステップ1:電源を入れるぞ!】



おおう、そこからか。と思った方、いらっしゃると思います。

でもこの作業がそれなりに曲者なのです。


何故か誰も電源の入れ方を知らない現場とかあります。どうするつもりだったんだそれ。


この時、最初にチェックすべきは「集中電源」です。

ディストリとかパワコンとか色んな呼び方がありますが、要するにただの電源タップです。

いろんな機械のコンセントがこの集中電源に刺さってて、これを入れたら1発で全部の機材の電源が入ります。


これ、ほとんどは横に細長い機械です。ラックケースとかの1番上に、横長くて正面にスイッチしかついてない機械があったら、多分それが集中電源です。ポチッと電源いれましょう。



さて、集中電源がある場合はこのやり方で解決することも多いんですけど、小さな会場だと集中電源がないこともあります。


その場合はポチポチと全ての電源を入れていくことになるんですが、これがまあ上手くいかないのなんの。

全部電源入れてみて、それでも音が出ないなんてザラです。


そういう時は、だいたいプロセッサーと呼ばれる使い方もよく分からない雑多な機材に電源が入ってない時です。確認しましょう。


それでも音が出ない場合は、スピーカーに電源スイッチがついてる時です。スピーカーを確認しましょう。


それでも出ない時は…もはや配線の問題です。

これは諦めるか、自分の持ち得る知識で配線を辿っていきましょう。



【ステップ2:音を出すぞ!】


さぁ音出しだ。マイクや楽器を刺すんですが、その前に待ったです。


まずはボリュームが上がってないことを確認しましょう。確認しそびれると刺した瞬間、爆音のノイズが出ます。

本気でビビりますし、故障の原因になります。


では確認したらコードをミキサーに刺してみて、ボリュームを上げてみましょう。


え?音が出ない?

マスターボリュームが上がってませんよ。ミキサーの右端に付いてます。


まだ出ない。なるほど。

ではコード刺したチャンネルのゲインが上がってません。上げてください。


それでも出ない?

ミュートスイッチが入ってますね。

チャンネルのボリュームの上にsoloとかonとか書いてるボタンがありませんか?

それを押したり押さなかったりしましょう。


まだダメですか?

バススイッチが入ってないかも知れませんね。

チャンネルのボリュームの横に小さなボタンが付いてませんか? ある場合は、そこに2mixとかmasterとかSTとか書いてるボタンがあるので、それを押しましょうね。


それでもダメ。うーん。

じゃあコードを刺してあるところを確認してください。そこ、insertとか書いてませんか。そこはエフェクター刺すとこなのでその上の穴に指し直してください。


そうしても出ない? よっぽどですね。

今度はコード刺してるチャンネルをくまなくチェックしましょう。

PADとか-20dbとか書いてるボタンないですか? それをポチッと押してやりましょう。


それでもまだまだ出ないなら。

あとは機材がおかしい可能性があります。

ケーブルを変えてみたりしましょう。


この辺まで試せば、殆どの場合は音が出るはずです。頑張ってください。





【ステップ3:ハウリングだ!】


来ましたねハウリング。キーーンとかボーーーとか爆音で鳴るやつです。


ハウリングを上手く消せるかどうか。これがPAに求められるテクニックで、多くのPAはこれに悩まされます。


一番簡単に消す方法は、もちろん音量を下げちゃうこと。でもそれをすると声が聞こえなくなる…なので、応急処置のやり方をお伝えします。


キーーーーンの場合。

そのマイクを刺してるミキサーのチャンネルのHiって書いてるツマミを反時計回りに少し回します。これでだいたい消えます。

えっ、音が悪くなる?

聞こえないよりは、少しだけマシじゃないです?


ボーーーーーの場合。

今度はLowって書いてるツマミを反時計回りに少し回します。これでまぁなんとなく消えます。これを回しすぎると今度はキーーーンって言いだすのでいい感じのところを探してください。


ヒーーーーンの場合もあります。

これはMidと書かれてるツマミを回すのですが、こいつが曲者。

これがdbとHzってやつに別れてたりするんです。

まずdbは反時計回りにグイッと。

それからHzをグリグリ回してみて、消えるところを探します。Hzだけは時計回り側に回した方がいいことも多いのでここは頑張りましょう。



【ステップ4:なんか爆音だしバリバリとノイズが!】


ありますあります。

これ解決方が見つけにくいですよね。


過入力が原因です。まずゲインを落としましょう。

ゲインのツマミを落としきってもバリバリ言い続ける時は、PADとか-20dbとか書いてるボタンを押します。

ほとんどの場合これだけで解決します。



【ステップ5:「返しください」って言われた!】


ああ、これはツラい。

返しと言うのは、演奏者さんの足元とか横とかに置いてる、演奏者さんが聞くためのスピーカーのことです。

これを要求されるような場所なら現場に音響さん居ることが多いんですけどね。


まず、その会場にそんなものがあるのか確認します。その結果、どうやらありそうだぞってなった時は、それぞれのチャンネルのAUXって書いてるツマミを回してみましょう。それで音が出てくれたら儲けものです。


それでダメなら潔く諦めましょう。

返しの設定は会場毎に違ったりするので未経験の臨時PAがどうこうするのは無理です。音響さんを連れてきてください。



【ステップ6:もっと、もっといい音を!】


はい。ここまで辿り着けたなら、とりあえず臨時PAさんとして責務を果たせたと言えます。

ボリュームをいい感じに調整してあげて、それでももっといい音にしたいなら本格的にPAを勉強するのがいいですよ。


これが楽しくなってきたら、あなたは音響沼にハマる素質があるということです。いらっしゃいませ。




【まとめ】

経験談として。

臨時PAなんて恐ろしいことはしない方が良いです。


でも謎のオジサンから「君、音楽してるんだって? ちょっと機械の操作お願い出来ない? なんか上手くいかなくてね」とか言われて断れないとかあると思いますから、そんな時にこのブログの存在を思い出すと役に立ったり、そんなに立たなかったりしますよ。


ではそんなホラー展開があなたに訪れないことを祈りつつ、この辺でお別れにしましょう。



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